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中日ドラゴンズバトルロワイアル第八章

1 :代打名無し@実況は実況板で:04/09/07 13:33 ID:eJzQ8UW+
【過去スレ】
中日ドラゴンズバトルロワイアル
http://salad.2ch.net/base/kako/999/999139441.html
中日ドラゴンズバトルロワイアル その2
http://mimizun.mine.nu:81/2chlog/base/kaba.2ch.net/base/kako/1001/10013/1001303969.html
中日ドラゴンズバトルロワイアル〜第三章〜
http://mimizun.mine.nu:81/2chlog/base/kaba.2ch.net/base/kako/1002/10023/1002370651.html
復活!中日ドラゴンズバトルロワイアル その4
http://sports.2ch.net/base/kako/1019/10196/1019632445.html
中日ドラゴンズバトルロワイアル第五章〜ENDING〜
http://sports3.2ch.net/test/read.cgi/base/1024663656/
中日ドラゴンズバトルロワイアル第六章
http://ex2.2ch.net/test/read.cgi/base/1032452159/
中日ドラゴンズバトルロワイアル第七章
http://ex8.2ch.net/test/read.cgi/base/1091641467/

【関連サイト】
2001年版保管サイト
ttp://dra-btr.hoops.jp/
2001年版・2002年版保管サイト
ttp://dragons-br.hoops.ne.jp/
2002年版保管サイト
ttp://mypage.naver.co.jp/drabr2/
中日ドラゴンズバトルロワイアル2 第三保管庫
ttp://cdbr2.at.infoseek.co.jp/

287 :代打名無し@実況は実況板で:04/09/29 18:35:31 ID:FSyK3nvV
54.蜥蜴が尻尾を気にしたら

おかしな夢を見た。
自分はどこかの野球場にいて、バッターボックスに立っていた。コーチからは送りバントのサイン。
バットを水平に構え、ボールが来るのを待つ。
「違いますよ、川相さん、よく見てください」
渡邉が、そう言って肩を叩いた。
「ほら、誰もいない」
一塁、二塁、三塁。渡邉が指さす方向を見ると、確かにそうだ、
ランナーはいない。これでは送りようがない。
渡邉はにこにこと笑いながら、バットを取り上げた。
「一塁行ってください。俺がちゃんと送りますから」
ぐいぐいと背中を押され、わけもわからず一塁まで走っていった。
「行きますよーちゃんと走ってくださいよー」
彼は嬉しそうに、本塁で手を振っている。
違う、ちょっと待て、それは俺の仕事だろ?
バッターボックスに戻るか戻らないか迷っていると、ピッチャーが投球モーションに入った。

覚えているのはここまでだった。もう少し続きがあったはずだが―――。
泣き寝入ったせいで目が腫れている。やつらに怪しまれはしないだろうか。
まあいい。どうせこいつにはあっさりばれたんだ。ネジの飛んでるふりも、そう長くは続かないだろう。
目の腫れの一つや二つ、気にしてたって仕方がない。
渡邉はまだ眠っている。相当疲れていたんだろう。無理もない、ずっと一人だったと言っていた。
一人でいると神経が摩耗してくる。いらないことをたくさん思い浮かべてしまうからだ。
どうやら俺についてくるつもりらしいが、そうなると厄介だ。
いざというとき、こいつを見捨てることができるか、自信がなかった。
中途半端に迷って、選手会の誰かにうっかり殺されたのでは元も子もない。
けれど真後ろで断末魔の叫びが聞こえているのに、振り返らず笑いながら、前に進むことが
自分にはできるだろうか。

288 :代打名無し@実況は実況板で:04/09/29 18:37:08 ID:FSyK3nvV
選手会の動向はわからないが、恐らく俺は、多少のことをしても
首輪を爆破される心配はないだろう。たかをくくっているわけではない。
ただ、あいつの性格から想像するに、「巨人の顔に泥を塗った」自分を、あっさりと殺しはしない。
これは見せ物だ。俺が誰かに襲われ、苦しみ悶えながら死んでいくのを心待ちにしているに違いない。
いっそ、自分が手を下したいとさえ願っているんじゃないだろうか。
うまくいけばあいつに会うことができるかもしれない。だから、一人で行こうと決めたのだ。
狂ったふりでもしていないと誰かが頼ってくることは、なんとなく予想できていた。
けど狂ったふりして人を避けてるのに、ついてくるやつがいるとは思わなかった。
どういうつもりなんだ、こいつは。気づいてるんだろ?

このほら穴は昼の明るい内に見つけた。一人なら使うつもりはなかったが、
こいつを朝まで安全な場所に置いておくには、ここしかない。
むやみに出てこなければ、見つかることもないだろう。
――――行くか。
意を決し体を起こすと、ユニフォームがつっぱった。振り向くと、
渡邉の右手が裾を掴んでいる。起きたのかと思ったがそうではない。
掴んだまま眠っているらしい。振り払えなかった。また涙が一滴こぼれた。
「うーん……」
渡邉が何か呟いて、顔を上げた。
「ん……あれ……川相さん?」
まだ意識がはっきりしていないのか見当違いな所を向いている。
けれど、ユニフォームを掴んだ右手だけは、しっかりと力がこめられていた。

【残り31人・選手会16人】

289 :代打名無し@実況は実況板で:04/09/29 19:46:52 ID:7ZK0FEJp
うあ゛ぁあ ・゚・(´Д⊂ヽ・゚・ あ゛ぁあぁ゛ああぁぁうあ゛ぁあ゛ぁぁ

290 :代打名無し@実況は実況板で:04/09/29 19:48:44 ID:yR6dHhKZ
。゚(゚ `Д)ノ。゚ヽ(  )ノ゚。ヽ(Д´ ゚)ノ゚。。゚ヽ(゚`Д´゚)ノ゚。
職人さん上手すぎるせつなすぎる…!!
絶品ですな。もう虜です。

291 :代打名無し@実況は実況板で:04/09/29 19:59:03 ID:CDbAg0O7
毎日毎日


このスレが楽しみで仕方がない……

292 :代打名無し@実況は実況板で:04/09/29 21:41:47 ID:1uQjTQdL
55.死んだら何も残らない

明け方になって、山本と岩瀬は選手会のキャンプを見つけた。
島の中心の辺りから海岸線へ抜け、島の輪郭をなぞるように夜通し歩き続け、やっと見つけたのであった。
「・・・やっと見つけたな」
「はい、じゃあ」
―早く行きましょう、選手が起きだす前に。そう言おうとして、ハッと口を噤んだ。
山本が立ち上がりかけた岩瀬を制止したからである。
岩瀬が驚いて山本の顔を見ると、左右に首を振っている。
「お前は、ここで待ってろ」
「どうして・・・」
「後方支援だ。今までもそうして歩いてきただろ?」
―昌さんは、島での行動のことを言っているのだろうか。それとも・・・
「・・・いつも俺は後ろなんですね」
「お前がいてくれて、助かったよ」
―シーズン中のことも含めて言っているのだろうか?
「とにかく、ここに居てくれ。退路を塞がれたら逃げるとき困るからな」
「・・・分かりました」
―頷いた。ここで昌さんを困らせるのは本意ではない。
「くれぐれも選手会見つからないようにしてくださいね。もし見つかったら・・・」
「・・・分かってる」
―もしも見つかったら殺しあわなければならない。どんなに仲の良い相手でも。殺し合いを拒否すれば野口さんの二の舞だ。
辺りを窺いながら、山本はゆっくりと選手会のテントに近付いていった。
それを心配そうに見送る岩瀬に、一つの黒い影が近寄っていた・・・

293 :代打名無し@実況は実況板で:04/09/29 21:59:14 ID:Pm8OTeJy
―起きだしてきた人の気配はないな・・・
しかし、夜襲などに備えて必ず見張りがいるはずだ。そいつに見つからないようにしないと・・・
突然ハッと足が止まった。野性的な何かが山本の足を止めた。誰か居る・・・
隠れようと辺りを見渡すが、海岸は開けていて大柄な身を隠せるような場所が、いきなり見つかるはずもなかった。
―しまった・・・!
火の近くで座り込んで下を向いている男。
その顔がゆっくりと上げられる・・・
「・・・あ、」
「・・・」
山本は顔を背けた。顔を上げた男が、自分と同じ40年会の選手、古田敦也だったからだ。
「・・・どないしたん?夜襲にしてはちょっと遅いんちゃうの?」
他の選手をすぐに起こすと思いきや、眼前の男は意外にも笑顔で話し掛けてきた。
「違うよ・・・頼みがあるんだ」
「何や?」
「・・・薬をくれないか」
「薬?・・・怪我か?病気か?」
「怪我だ。そっちに撃たれたらしい」
「・・・そう、か」
沈黙。目の前に開けた海が朝日にキラキラと輝いて、眩しかった。

294 :代打名無し@実況は実況板で:04/09/29 22:04:54 ID:Pm8OTeJy
「・・・こっちもな、三輪が死んだわ」
「・・・」
「でも、どうやら山本サンは違うみたいやな」
「当たり前だろ」
―『山本サン』。やけに他人行儀な言い方が気になった。
「薬か・・・」
「もし、くれるのであれば・・・あっちの茂みに一人で待ってる奴がいる。その茂みの前に置いてくれないか?」
「・・・首輪か」
「そうだ。俺は今交戦せずに逃げたら、首輪が爆発して死ぬ。・・・でも、あいつらに何か残してやりたいんだ」
「・・・ええよ。持ってき」
「ありがとう。それからもう一個頼んでもいいか?」
「何?」
「これを・・・中村に。居るんだろ?中村」
―野口の形見、キャッチャーミットを差し出した。
「・・・受け取っておくわ」
「悪いな」
「俺も一個、試したいことあんねんけど・・・ええか?」
「ん?・・・何だ?」
古田は山本を手で呼んだ。
その古田の手には火の管理をしていたと思われる、木の棒が握られていた。
それを地面に走らせる・・・

295 :代打名無し@実況は実況板で:04/09/29 22:10:03 ID:Pm8OTeJy
「うわっ!何すんねん!?」
「かかったな!薬が手に入ったらもうお前に用はないんだよ!!」
「くっ・・・誰か!誰か来てくれ!!」
古田の声が選手会のキャンプに響く。
「・・・古田さん、どうしました!?」
今岡が1番にテントから這い出て走ってきた。急いで出てきた為、上着がだらしなく垂れている。
「ちっ・・・数が増えると不利だな・・・古田!勝負は預けるぞ!!」
山本が身を翻して逃げていく。追おうとする今岡を古田は手で制した。
「アホ、武器も持たんで追っかけてどないするん!?」
「でも・・・」
「誘き寄せる罠かもしれんやろ!迂闊に追うな!」
「あ、はい・・・」

「とりあえず皆起こすか・・・あ、それから今岡」
「何ですか?」
「皆寝てる間にな、薬の在庫とか調べたんやけど・・・」
「へえ、ご苦労様でした」
「それでな、使用期限切れてるやついくつかあるから、間違えて使わんようにそこの茂みに捨てといて」
「分かりましたぁ」

山本昌が消えていった茂みを見つめ、古田はしばらくそこから動こうとしなかった。
(何か残したい、か・・・)
その手には野口の形見であるキャッチャーミットが握られている。
(死んだら・・・死んだら、何も残らんのにな・・・)

【残り31人・選手会16人】

296 :代打名無し@実況は実況板で:04/09/29 23:26:20 ID:FSKrY7KE
騙し合いの中にも複雑な感情か――野球板バトロワ最高傑作の予感だ

297 :代打名無し@実況は実況板で:04/09/29 23:26:26 ID:cff1bNx1
毎日本当に楽しみにしてます
いつも目の前に情景が浮かんでくる様な文章で、職人さん凄すぎ!

298 :age:04/09/29 23:42:27 ID:gjTimkdw
>>291
IDが中日ドラゴンズだ!

299 :112:04/09/30 00:15:40 ID:YFh1bAXV
55.FAの光と影

手にした探査機に、「20」と「22」のマークが表示されている。
『川崎と、柳沢。どちらか一人を始末してほしい』
その指示を受けたとき、平松は迷いもしなかった。

恋人とは次第に疎遠になっていき、口喧嘩になることが増えた。
俺のことが嫌いになったのか。そう電話口で怒鳴ったとき、彼女は言ったのだ。
『そうじゃない。…でも、名古屋は、遠いよ。
 無理だよ、私たち…』
FA宣言した奴はいいだろう。
評価して貰って、年俸も上がって、新天地で気分一新して。
だが、そのために犠牲になる奴がいると、あんたたちは知っているのか?
人的保証という制度のせいで、
今まで築いてきたものを全部置き去りにしなければならなかった
俺の気持ちが分かるのか?

だから俺は、あんたを殺すよ。
なあ、川崎さん。


300 :112:04/09/30 00:26:40 ID:YFh1bAXV
次第に明るんでくる東の空を見ながら、川崎はほっとした。
明るくなれば、多少なりとも危険が減る。
側の柳沢を見ると、ぐっすりと眠っていた。疲れているのだろう。
…無理もない。目の前で野口の死を見たのだから。
もう少しだけ寝かせておくか、そう思ったとき、草をかき分ける音がした。
首筋に冷たい感触。それが銃口であることは、見なくても分かった。
「動くな。銃を捨てろ」
銃を捨てて両手を挙げる。
「…平松。なんで、お前が」
「立て。向こうまで歩け」
川崎は立ち上がり、柳沢と平松を交互に見た。
「…柳沢さんには手を出しませんから、心配要らない」
それを聞いた川崎は、素直に歩き出した。



301 :112:04/09/30 00:34:36 ID:YFh1bAXV
防波堤の上に出る。川崎のすぐ後ろに海が迫っていた。
「あんたには死んで貰う」
川崎に銃を向けたまま、平松は言った。
「あんたはルールを破った。オーナーを守るために戦う、っていうルールをね。殺されたって文句言えないだろ」
「つまりお前は、オーナーの手先になった訳か。チームメートが、あいつらに殺されたっていうのに」
「…チームメイト、ね。よく言うよ。この詐欺師が」
いきなり平松は発砲する。
サイレンサーが取り付けられた銃からは、ぷしゅ、と間抜けな音がした。
「っ…!」
川崎の右腕から鮮血が飛び散る。
「なにが『野口の敵をとる』だ。球団から高い金を毟り取ってさぼってたくせに、今更偽善者ぶるんじゃねーよ」
立て続けに平松の銃が火を噴く。
「俺たちが必死になって働いても雀の涙ほどの年俸しかもらえないのに、
一軍で投げもせずに4年で7億?おめでてーな」
川崎のユニフォームが、血で真っ赤に染まっていく。
「FAなんてなくした方がいいんじゃないか。あんたみたいな詐欺師はいなくなるし、俺だって…」
平松は言葉を切って、銃を川崎の眉間にポイントする。
川崎は膝をつき、荒い呼吸を繰り返していた。
「まあ、いいや。とにかく俺はあんたと、俺の人生を狂わせたFAが許せないんだよ」
だから、死ねよ。
そう呟いて、平松は引き金を引いた。


302 :112:04/09/30 00:37:58 ID:YFh1bAXV
俺は詐欺師なのか。
俺は偽善者なのか。
FA宣言なんかしなければ良かったのか。
中日のために何もできなかった。
投げることもチームメートを助けることも。
自分が情けない。
古田さん、ごめん。
俺との対戦、楽しみにしてるって言ってくれたのに結局投げられなかった。
ファンの人、ごめん。
ごめん、ごめん…
意識が途切れる瞬間まで、川崎は謝罪を繰り返していた。

動かなくなった川崎を海に蹴り落としながら、平松は通信機の電源を入れた。
「川崎憲次郎を処分しました。次の指示をお願いします」

【残り30人・選手会16人】

303 :代打名無し@実況は実況板で:04/09/30 08:54:22 ID:n08zzjCX
112氏、作品投下&更新乙です。

フローチャートを作ってくれてdクス
流れが分かりやすくなった。

304 :代打名無し@実況は実況板で:04/09/30 11:56:36 ID:MwPtsUgU
56.成功の裏で

「はっ、はっ、はっ・・・」
緊張していた為か、軽く走っただけで息が切れる。
―爆発しない・・・やっぱり古田の言った通りだったのか?
あの時、古田が木の棒で地面に書いた文字。
『それ、盗聴器入ってると思う』
『一か八か俺を襲う演技をしてくれないか』
『もし俺の考えが当たってるとすれば、首輪は爆発せんと思う』
―なかなか名演だったな。思い出すとあのオーナーたちを騙せたことに、笑いが込み上げる。
―後は岩瀬を連れて一旦引いて・・・後で茂みの薬を回収すればいい。
岩瀬が待っている茂みに戻り、山本は小さな声で岩瀬を呼んだ。
「岩瀬、とりあえず今は引くぞ。岩瀬・・・」
そこまで言って、山本は異変に気付いた。人の気配がない。
「岩瀬?」
返事はない。
「岩瀬・・・岩瀬!」
―まさか・・・!嫌な予感がした。

305 :代打名無し@実況は実況板で:04/09/30 11:59:50 ID:MwPtsUgU
山本が茂みに戻ってくる少し前・・・岩瀬は背後から人の気配がすることに気付いた。
―誰か居る・・・!
殺気を感じ、体を低くした。その瞬間シュパッと音がして体の上を銃弾が掠めていった。
「・・・さすが」
「その声・・・山北か!?」
ひょろっとしたシルエット。自分の遥か頭上で銃を掲げているのは、間違いなく山北茂利だった。
「ええ。・・・岩瀬さんはきっと頑丈に出来てるんだろうなあ」
「え・・・?」
突然訳の分からないことを言ったかと思うと、山北は岩瀬の上に馬乗りになった。
「じゃあ、最初は右足からいきましょうか」
「何言って、・・・うあっ!!」
プシュッと空気の抜けるような音がした後に、岩瀬の右足に激痛が走った。
―こいつ、撃ちやがった・・・!
「いきなり出血でショック死なんて、やめてくださいね」
「お前っ・・・「次は左足と右腕、どっちがいいですか?あ、左腕は最後ですよ」
―狂ってる。山北はこの状況下で狂ってしまったんだ・・・!
「あれ?返事がないなあ。じゃ、両方同時にいきます?」
「山北やめ・・・っ!!!」
山北は素早くナイフを取り出すと(ナイフは元々久本の武器だった)、岩瀬の右腕に突き刺した。
それと同時に素早く左足を撃ち抜く。
「ぐっ・・・山北、やめろ・・・こんな、馬鹿なこと・・・」
「ようし、まだ生きてますね。じゃ次はメインディッシュ、左腕ですよー」
「やめろ・・・やめろ・・・」

306 :代打名無し@実況は実況板で:04/09/30 12:03:38 ID:MwPtsUgU
「久本の時は一発で頭撃っちゃって、失敗だったなあ。やっぱりこうやってやらないと、面白くないですよね」
にこり、と。返り血を浴びたユニフォームに身を包み、鮮血を散らした顔で、山北は笑った。
「岩瀬さん、今どんな気持ちですか?」
俺がもう一度引き金を引けば、野球できなくなるんですよ?笑いながら言う山北を、岩瀬は何か違う生き物でも見るように眺めていた。
「じゃあそろそろいこうかな。岩瀬さん、歯をくいしばって」
山北の指がゆっくり引き金を引いていく。見ていられなくなって、岩瀬は顔を背けた。

「・・・岩瀬!」
ビクッ、と山北の動きが止まった。
「昌、さん・・・」
「何だ、岩瀬さん一人じゃなかったんですか。2対1じゃ不利なんで俺、引きますよ」
引き攣った笑顔のまま、山北が言った。
「また会いましょうね。・・・もっとも、そのときまで岩瀬さんが生きていたら、ですけど」
馬乗りになっていた山北がサッと避け、森の奥へと消えていった。
ガサガサと茂みが動いて、山本が岩瀬を見つけた。
「岩瀬!!」
「昌さん、上手くいったんですね・・・良かった」
岩瀬の五体は左腕、体、顔以外は血で真っ赤に染まっていた。

307 :代打名無し@実況は実況板で:04/09/30 12:08:02 ID:MwPtsUgU
「俺、もう動けないですから・・・早く、立浪さんのところに、薬を・・・」
「馬鹿、お前を置いてく訳ないだろう!」
「山北が・・・狂ってます」
「山北?山北にやられたのか!?」
話しながら、山本はテキパキと手当てをした。血は出ているものの、綺麗に撃ち抜かれているため銃弾を取り除く必要はない。
「山北は・・・久本も、殺したみたいです」
「・・・そうか・・・」
「ほんと、殺すのを楽しんでいるみたいで・・・」
そこまで言って、岩瀬は初めて恐怖が襲ってきたのを感じた。もしかしたら、自分も死んでいたかもしれない。
あのとき昌さんが来てくれなかったら・・・
そう思うと、頬を涙が伝っていった。生きてる、俺は生きてる・・・
―俺はひどい人間だ。
―久本が死んだと知っても、俺は自分が生きていることを喜んでいる。
久本・・・お前は一瞬で死んだんだな。それとも、殺されることを知って恐怖したんだろうか。
久本を、その恐怖と無念さを思って、岩瀬は泣いた。

【残り30人・選手会16人】

308 :代打名無し@実況は実況板で:04/09/30 17:31:59 ID:T6cpRXvP
>>304-307
うわぁ、プロの作家みたいです。
古田もかっこええ・・・

309 :代打名無し@実況は実況板で:04/09/30 18:53:59 ID:f78s1E8w
57. 言葉はこの胸に

『今日は黒木がね、復活ということで、熱のこもったピッチングしてたんで、こら俺も
負けてられへんなあ、と思って…。
あいつが苦しい思いして今日やっと登板できたのは知ってるんで、ほんまに良かったなあと
思ってます』


降りた帳を開け放つ時のように、周囲を包んでいた深い闇が取りはらわれていく。
光こそまだ届いていないものの、歩き回るには申し分ないほどに、森の中の視界は回復しつつあった。
黒木は岩本の残した荷物を手に下げ、彼を探して歩き続けていた。
朝露のおりた地面に、どす黒く変色した血痕を見つけたのは、ほんの数分前のことだ。
胸に寒々としたものを抱えながら、それをたどる。
そして行き着いた先に ── 彼はいた。
「岩本さん」
黒木は彼の名を呼んだ。目の前の大きな木の幹に背中を預け、目を閉じてうなだれるその姿は、
ただ眠っているだけのように見える。
身につけている服の右腕部分と胸から下が、無残にも赤黒く染まったりしていなければ。
「岩本さん ──」
両手にある荷物を地面に置き、黒木は膝を曲げて岩本の顔をのぞきこんだ。
肌の色を失った顔。閉ざされてそのまま凍りついたかのような、瞼と唇。
凝固した血に覆われた右腕に触れる。とても冷たかった。
── ああそうか、寒いんだな。とっさにそう思い、黒木は自分の上着を脱いで、岩本の身体にかぶせる。
自らの体温を含んでいるはずの上着の布地ごしに、冷えた感触がどうしようもなく掌に伝わってきた。
その瞬間、黒木は逆流する感情を抑えることができなかった。
「………!」
幾筋もの涙が、とめどなく頬をつたって落ちていく。

310 :代打名無し@実況は実況板で:04/09/30 18:56:57 ID:f78s1E8w
『お前はここから逃げろ』
『ロッテのエースはお前しかおらんてことを、これから証明していかなあかんやろ?』
違う、ロッテのエースはもう自分ではない。一度死んだ右肩とともに、かつてのエースも
死んでしまったのだ。
だが、それでも ──
「俺は、嬉しかった、んですよ……」
しゃくりあげながら、黒木は口を開いた。
今年、自分の復活登板の日。対戦チームの先発だった岩本が、勝利インタビューの中で言ったのだ。
黒木が復活できて良かった、と。
確かにエースの座は譲ってしまった。それでも、その言葉を聞いて、また挑戦する気持ちが沸いてきた。
ローテーションを守って、もう一度先発の柱に……と。
なのに。
言葉をくれ、励ましてくれた人物が、どうして死ななければならない?
こんな理不尽な思いを、黒木は知らない。
岩本の腕をつかんだ右手が震え、やがて自然とそれは岩本の身体から離れた。
(どうして、あなたが…)
地面に膝をついたまま、力の抜けた両腕はそのままに、黒木はあてどなき問いをただ繰り返していた。

311 :代打名無し@実況は実況板で:04/09/30 18:59:54 ID:f78s1E8w

背番号68、長峰昌司は、茂みの向こうからその様子を見ていた。
大木の前に誰かの死体。その前で泣き崩れる人物。
そして少し離れた場所に、中日の選手の死体もある。
横たわって倒れているうえに、頭を長峰のほうに向けているため、背番号が見えない。
誰の死体かは分からなかった。
状況は把握できていないのだが、目の前にいる人物は選手会の役員に違いない。
そして呆然自失に陥っている今、全くの無防備のはず。
── チャンスだ。
長峰は支給された22口径の拳銃 ─ コルトポケットを取り出し、膝をつく人物の後頭部へと狙いを定め、
トリガーに指をかけた。

【残り30人・選手会16人】

312 :代打名無し@実況は実況板で:04/09/30 21:11:03 ID:p+8b/g7j
今日優勝決定祈願あげ

313 :代打名無し@実況は実況板で:04/09/30 22:26:06 ID:f78s1E8w
58. こんなにも簡単なこと

パァン、と風船の割れる音がした。
銃を握った左手に返る反動はあまりなく、身構えていた身体は逆にバランスを崩した。
やべ、と地面に片手をついた姿勢で長峰は前方を見やり、そして愕然とする羽目になる。
放たれた銃弾は目標を撃ちぬくどころか、その向こうにある大木にすら当たりもしていない。
(……嘘だろ!?)
掌に収まるサイズの、いわゆる護身用の拳銃は、ある程度の距離を超えると、極端に命中率が下がってしまう
という欠点を持っていた。
あくまでも至近距離専用の武器 ── しかし、銃器に関心のない長峰がそんなことを知るはずもなく。
「……」
うろたえていると、さすがに銃の存在に気づいた目標がこちらを振り返ってきた。
「…くそおっ!!」
迷っている暇はなかった。半ばヤケになりながら茂みを飛び出す。
しかし飛び出そうとしたその時、折り重なった低木の枝が足にからみついた。進もうとしていた
上半身の動きを急に止められ、前のめりに倒れる。
枝に引っかかりながら茂みを抜け出した時には、すでに相手は前方の視界から消えていた。
「!」
── どこだ? 体勢を立て直す間もなく、横から頭を蹴り飛ばされ、長峰の身体は地面に叩きつけられた。
苦痛にうめきながら立ち上がろうとするが、その前に左腕を掴まれた。
一瞬のうちに手の中のコルトポケットが奪い取られる。
口の端から血をこぼしながら、長峰は顔を上げ ── 眼前に突きつけられた銃口を見た。
「この銃、軽いんだな」
そんな声が上から降ってくる。
視線を徐々に上げていくと、拳銃を構える声の主と目が合った。
「玩具みたいだな。それで、これを引いたら終わりか」
死んだような目をしている。白目の部分は真っ赤に染まり、その瞳には一片の光のかけらもない。

314 :代打名無し@実況は実況板で:04/09/30 22:28:30 ID:f78s1E8w
長峰はぞっとした。死神を見た恐怖からか、これから訪れる死への恐怖からか。
それは分からなかった。
充血した目から涙を流し、その人物は呟いた。
「……簡単なんだな」
二度目に聞いた風船の割れる音は、途中で途切れた。


「……簡単なんだな」
空気を叩く音さえ、軽い。
額に銃弾を埋め込まれて後方に倒れていく背番号68の姿を、黒木はただぼんやりと見つめた。
そんなことで死ぬのか。あの人も、そんなことで死んでいったのか。
硝煙のたなびく銃口を下ろし、拳銃を腰の後ろに差すと、一瞬にして死体と化したそれから背を向ける。
黒木は地面に置いてあった荷物を二つ持ち上げ、ちらりと周囲を見た。
死体が一つ多いような気がしたが ── それ以上頓着することなく、その場を立ち去った。

自分がためらっていたことは何だったのか。
恐れていたことは何だったのか。
こんなにもあっけなく、越えたくなかった境界は砂塵と化し、崩れてしまった。
黒木は唇を動かした。
囁きにすらならないそれは、吹き抜ける風に紛れて、消えた。

背番号70。どこにいる。
(俺は、お前を)

【残り29人・選手会16人】

315 :代打名無し@実況は実況板で:04/09/30 22:41:57 ID:cgbDgcQS
59.覚醒または転落

追ってこないのはわかっていた。少し走って、茂みを抜けたところで山北は
一旦立ち止まった。心臓が早鐘を打っている。なんだろう、この興奮は……。
ふと右手を見ると、ナイフも己の手も、岩瀬の血液で真っ赤に濡れていた。
ピストルも悪くはないが、ナイフの方が楽しそうだ。
うっとりと見つめていると、手首に血液が一筋つたった。
山北はそれを、舌で舐めとった。どんよりと塩辛く、そして鉄がさびたような匂いが
口の中に広がる。飲み込むと陶酔感がじわりと広がっていき、
麻酔のように全身を痺れさせた。
「壊したい」
そう呟いた瞬間、山北の中で何かが弾けた。
腹の底から押し寄せてきた衝動をはき出すように、山北は笑った。大声をあげ笑った。
彼を支配したのは壊れない物を壊してしまう快感かもしれない。
「さあ、誰が一番頑丈だ?」
鋼の肉体も鉄腕も、全て壊してやる。山北の目が燃えていた。
彼はもう、狂った人間でさえなかった。
それであるならば正常な、ごくごく普通の、魔物になっていた。

(笑い声……?)
デニーは足を止めて、上を向いた。
(……気のせいか)
酷く疲れていた。島の外側を歩いてみたが、途中で足場が悪く進めず引き返した。
ほとんど寝ていない。早くキャンプに戻ろう。重い足をなんとか前へと進める。
背後に魔物が現れたことなど、全く気づいていなかった。

316 :代打名無し@実況は実況板で:04/09/30 22:47:38 ID:cgbDgcQS
>>315
最後の行にこれ入れるの忘れてました

【残り29人・選手会16人】

保管庫管理人様、よろしくお願いします

317 :112:04/09/30 22:49:18 ID:YFh1bAXV
>>316
うpするときに足しておきます。

いい感じに壊れたな、山北も黒木も…


318 :112:04/10/01 02:08:13 ID:Bi2lLtvV
59.補給部隊

「紀藤さん、僕ら、こんなにのんきにしててもいいんですか?」
慣れない手つきで握り飯を作りながら、前田章宏は聞いてみた。
「腹が減っては戦はできない、っていうじゃないか。メシの支度も戦のうち」
「そんなもんですかねえ」
そうだよ、と頷く紀藤は、まったくいつもと変わらない雰囲気に見える。
合流してからずっと、紀藤は落ち着いていた。
だから前田は安心していたのだが、それでも聞いておかなければならないことがあった。
「…選手会の人に出会ったら、どうします。戦いますか?」
紀藤は手を休めない。綺麗な形の握り飯が次々に形作られていく。
「21年も野球やってきたし、優勝もしたし、最多勝争いもしたし、死んでもまあ悔いはない。俺はね」
前田を見るその目は、いつも通りに優しい。
「だけど、お前とか、中里とか、長峰、石川…若い奴らを
 こんなつまらないことで死なせるわけにはいかない。だから、戦うよ」
「人殺しになっても?」
「死ぬよりましだろ?」



319 :112:04/10/01 02:11:55 ID:Bi2lLtvV
うつむいてしまった前田の頭をぽんぽんと叩くと、作った握り飯をタッパーに詰めていく。
「僕ら二人で食べるには、数が多くないですか?」
覗き込んだ前田が不思議そうに聞いた。紀藤は笑ってみせる。
「他の連中に会ったときに分けてやるんだ。…補給部隊ってところかな?」
「補給部隊ですか」
「武器がしゃもじとフライパンだった俺たちにはふさわしいと思わないか?」
二人は顔を見合わせて笑った。
そんな武器では心許ないので、今は家捜しして手に入れた万能穴あき包丁と金属バットを持っているが。
「じゃあ、行こうか」
「はい」
民家を出て、森の中へ歩き出す。

ー事態が、思っているより悪化していること、
『若い奴ら』が死んだり負傷したり壊れたりしていること、
さらには恐ろしい魔物までが生まれてしまっているなんてことは
前田も紀藤も、これっぽっちも思い至っていなかった。

【残り29人・選手会16人】

320 :代打名無し@実況は実況板で:04/10/01 06:14:44 ID:mSs76yOT
職人さん、乙です!!
毎日読めて、もう最高です(`・ω・´)ゝ

321 :代打名無し@実況は実況板で:04/10/01 06:52:08 ID:PW0Zbeyj
毎日乙です。

次は61からドゾー。(59が2つあるので)

322 : ◆fdhBR.s8/. :04/10/01 17:57:31 ID:20juiCHx
保管庫の管理人様、職人の方々、乙彼様です!
毎回楽しませてもらっております。どんどん深く面白くなっていくなぁ・・・

323 :代打名無し@実況は実況板で:04/10/01 22:21:18 ID:J+YtW8Zs
2ch

324 :代打名無し@実況は実況板で:04/10/01 23:23:24 ID:QAozTLTw
優勝記念ホシュ

325 :112:04/10/02 00:54:07 ID:TLssJM34
61.いい夢、わるい夢

その瞬間、選手達は一斉にベンチから飛び出した。
笑いあい、意味もなく互いをたたきあってはしゃぐ。
落合監督の体が二度、三度と宙に舞うと、スタンドの歓声が一段と大きくなった。
「次は立浪さんを胴上げだ!」
誰かが叫ぶ。
「やめてくれよ、まだ引退するわけでもないんだから…」
そう言って尻込みした立浪を、荒木と井端ががっちりつかんだ。
「立浪さんが嫌でも、俺達がそうしたいんです」
「観念して胴上げされてください」
いたずらっぽく笑いながらそう言う間にも、多くの手が立浪をつかむ。
訳が分からないうちに体が宙に浮いた。
一度、二度と胴上げされながら、優勝の実感がわきあげてきて。
立浪は、笑いながら涙をこぼした。

石川は、立浪が満足そうな、安らかな表情で眠っているのに気づいた。
先程までは傷が痛むのか、苦しそうな顔をしていたのに。
ーいい夢見てるのかな。立浪さん。
くすり、と笑った石川はすぐに表情を引き締め、サブマシンガンを構えて辺りの警戒を再開した。


326 :112:04/10/02 00:58:25 ID:TLssJM34
その瞬間、選手達は一斉にベンチから飛び出した。
笑いあい、意味もなく互いをたたきあってはしゃぐ。
「監督を胴上げするぞ!」
立浪の声に、わっと選手達が落合監督に群がる。井端も、その中にいた。
落合監督が二度、三度と宙に舞い…ふっと、消える。
「えっ…?」
急に消失した重みにとまどう。
気がつけば、さっきまであんなににぎやかだったスタンドが静まりかえっている。
辺りを見回せば、一緒に監督を胴上げしていたはずの選手達が、まるで丸太か何かのように転がっていた。
どの選手も、一様に血で赤く染まっている。
高橋光信は胸と足から血を流して。
野口は首から上が吹き飛んでいるし、川崎の体には無数の銃創があった。
体が、がくがくと震えている。
思わず両腕で自分を抱きしめるような格好になって、その時井端は気づいた。
両手が、血で真っ赤にそめられていることに。
声もなく絶叫しーーー

飛び起きた井端の顔には、嫌な汗が伝っていた。
どうやら、少し体を休めようと座り込んで、眠ってしまったらしい。
傍らの銃を握りしめる。
ーあんな夢、絶対実現させるわけにはいかない。そのためにはー
立ち上がり、選手会役員を求めて歩き出す井端に、迷いはなかった。
…少なくとも表面的には。

【残り29人・選手会16人】

327 :112:04/10/02 01:11:28 ID:TLssJM34
ドラファンの皆さん、優勝おめでとうございます。
今夜は他の書き手さん達はお祭り騒ぎなんだろうな…


328 :前スレ75:04/10/02 01:39:05 ID:mDFnsHbT
>>112さん
乙です。保管庫管理の方もお疲れ様です。
お祭り騒ぎしたいけど、住んでいるのが地方なのでどうも・・・
仕方ないので自分もドラバト書いてます。

329 :代打名無し@実況は実況板で:04/10/02 01:40:17 ID:ncyFCbvR
パタリロ!でホモとか

330 :329:04/10/02 01:42:17 ID:ncyFCbvR
ごめん、すげー恥ずかしい誤爆やった。吊ってくる

331 :前スレ75:04/10/02 01:56:53 ID:mDFnsHbT
>>330
ありがとう、ちょっとなごんだ。イ`。

332 :代打名無し@実況は実況板で:04/10/02 02:49:25 ID:3ZJbrmNt
中日優勝おめでとうございます
野球は基本が大事だと中日を見て思い知らされました
日本シリーズではいい試合をしてください。
切ないな…・ここぱ・(つД`)・゚・。ウアァァン

333 :126:04/10/02 06:08:35 ID:rngGzEcR
一夜明けましたが、カキコさせてください。
祝!ドラゴンズ優勝!
ファンの方々も本当におめでとうございます。

実は自分もドラファンではないのですが…。
日シリでの中日選手の活躍を期待してます。

334 :代打名無し@実況は実況板で:04/10/02 10:01:59 ID:jPt66W6B
62.分不相応

「キャンプまで後ちょっとのはずや。いけるか?」
「はい」
片岡は申し訳なさそうに頷いた。
撃たれたのは右肩で、しかも立浪の持っていたのはデリンジャーだった。
更にいうと、弾は貫通している。本来なら致命傷になるはずもないのだが、
一晩、応急処置(しかも清原が乱暴な手つきでやったわけだ)のみで過ごした。
撃たれた直後から、指先がうまく動かなかったが、今は腕全体が冷たくなって、
まるで他人のそれがぶら下がっているような感じだった。
清原も片岡の容態を気にかけて、真っ暗な中、足場の悪さも省みず
キャンプに向かって歩き続けた。しかしいかんせん、自分と同身長で94kg(公称)の大男
を担いでいるのだから、いくら急いだって限界がある。途中数回の休憩をとり、
選手会のキャンプ地付近まで来たとき、太陽はもう昇りきっていた。

そろそろ出発しようか、という二人の姿を、ある男が見つめていた。
「大物発見や」
ニューナンブを携え、興奮気味に呟いてしまったのは背番号58、大西崇之である。
清原に片岡。いざ撃つとなると、さすがに緊張してきた。
(どっちから狙お。あんまり距離あけられると命中せぇへんやろし、はよ撃たんと)
気は急いているが、狙いが定まらない。清原は、片岡の左腕を己の首にかけ立ち上がった。
(ええい、どっちでもええ、当たれ!)
思い切ってトリガーを引くと、予想以上の破裂音と反動で思わずよろめいた。
(やったか?)
草の陰から二人のいた場所を覗いた。
途端、大西の背筋に冷たいものが走った。
鬼のような形相をした清原と、しっかり目線がぶつかってしまったのだ。

335 :代打名無し@実況は実況板で:04/10/02 10:11:43 ID:jPt66W6B
弾丸自体は片岡の左腕をかすって、向こうの草むらに消えていったのわけだが、、
少しコースが違えば清原に致命傷を与えていた。己を本気で狙う人間を、
この男がただですますわけがない。
彼は片岡を振り払うと、大西に向かって突進していった。
大西は一瞬怯んだが、慌ててピストルを連射する。三発目が清原の左腕に命中した。
(よっしゃ)
と思ったのも一瞬、清原はまったく動じていない。距離はもの凄い速さで縮まってくる。
(なんで………当たったやろ?)
呆然としつつ四発目を撃とうとしたとき、左耳で風を切る音が鳴り、
次の瞬間顔面に激しい衝撃が来た。大西は一瞬宙に浮き、そのまま地面にぶっ倒れた。
回し蹴りが顔面にまともに入ったのだ。
突然横向きになった視界にピストルが落ちてきたので、大西は反射的に手を伸ばした。
その手が、ぐしゃりと踏みつけられる。
「どういうつもりや、貴様」

―口径の小さいピストルだと、興奮状態にあれば命中しても痛みを感じないことがあるらしい―

【残り29人・選手会16人】


336 :代打名無し@実況は実況板で:04/10/02 12:44:53 ID:gfI8MOLo
職人さん乙です。
で、今後、できれば川相の扱いは
巨人バトロワ時代の経験を生かしている
カンジで御願いしたいのですが・・・

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